自費出版
OnePointアドバイス

正しい知識をもって自分なりの本づくりをしてみよう!

★ 自費出版セミナーの講師からの一言 ★

2003年に小田原・伊勢治書店で開催された「神奈川の自費出版フェア」では、自費出版入門のセミナーが好評でした。出版社・編集者、書店、著者それぞれの視点からの話には、執筆から本づくりのヒントが散りばめられていました。本誌では、セミナー講師の方々からのアドバイスを収録しました。

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●信頼できる編集者との出会い………石井啓文(『日本最古の水道「小田原早川上水」を考える』著者)
 まず、信頼できる出版社に相談してみることです。初めて出版を決意したとき、全く知らない世界に踏み込みます。安心してアドバイスを受けられる編集者との出会いが、成功に導かれることを、自費出版を体験して実感しました。信頼できる出版社とは? 情報収集に勉め、地元の本屋さんに訊ねるのも一つの方法と思います。

  

●本づくりを知らない私の知恵………加藤健一(『青天独歩(せいてんにどっぽす)』著者)
 原稿を書いたら、まず本の好きな身内(親、兄弟など)や友人に読んでもらい、荒削りであっても読みたいという感触が得られたら、自費出版を行っている出版社に行き相談する。親身になって相談にのってくれる所がよい。遠慮なく解らないことは聴いておくべきである。納得してから本づくりをしよう。お金もかかる、後で悔いを残さぬように、書店に並ぶ本と比べても遜色のない本を作るには、責任を持って取り組んでくれる、近くの出版社を選ぶべきである。

  

●自費出版だって売りまっせ、モチロン!………筒井正博(伊勢治書店 部長)
 本屋の店頭に自分の書いた本が並んだなら、まして売れたなら……みなさんもそうでしょうし、作家の山本一力氏さえ今でもそう言っております。
 取次から配本された本でも、持ち込まれた本でも著者とは「売れる」「売りたい」の交信をしています。内容・テーマ・装丁など、信頼できる編集者との出会いこそ良い本づくりへの第一歩では。

  

●社会事象も織り込んで………池田 忍(ホンゴー出版)
 人間は社会的・歴史的動物と言われます。 誕生から終焉に至るまで様々な社会事象や国の歴史にも影響されて生きていかねばなりません。 自分史もタテ糸ばかりの単線でなく、 ヨコ糸つまりその時代の様々を織り込んで書くようにすると、 複線的な広がりのある自分史になります。

  

●本物の出会いを!………片桐 務(夢工房)
 自費出版にチャレンジしようとお考えのみなさん。大切なことは、それぞれのテーマを自分の言葉で揺り動かし文章に書き起こすこと。それを信頼するに足る本づくりのプロの編集者とこころを通わせながら一本の縄のように撚り上げていくことです。甘い誘惑や過大な幻想に踊らされず、あなたの夢を実現するために本物の出会いを。

  

●「書き残したい」という情熱がすべて………小曽利男(神奈川新聞社)
 原稿を書いて自分の本を創るということは、「なにがなんでも書き残しておきたい」という情熱がすべての出発点です。文章のテクニックは後からついてくるもので、最初はこだわる必要はありません。まずは書きたいことを箇条書きにして、全体の構成を考えながら整理、柱立てするとよいでしょう。他人の心を動かせるのは情熱です。

  

●原稿は編集されて本になる………鈴木資人(武田出版)
 あなたの原稿が本になり、多くの人がそれを読む、ということを考えれば、原稿の段階で一度はあなた以外の人に読んでもらい、感想を聞いておくのも無駄ではありません。この文章は何のために書いたのか、読む人の気持になって書かれているか、著者の心がうまく伝わるのかを知る一つの目安になります。

  

●テーマを決める………野谷真治(蒼天社)
 自費出版を考えた場合、どのような内容のテーマを選び、持つか、そして、どれだけ、そのテーマへの思い入れが強いかに尽きるでしょう。自分史を書く、地域の歴史を調べる、詩作品をまとめる等、どれもが、その中に作者独自のテーマ、思い入れがあります。その思いを大切に育てる事から始めてください。

  

●自分の言葉で書き始める………松下晴夫(まつ出版)
 ある程度書き残したいテーマがはっきりしていれば、自分の言葉で書き始めましょう。文章の練習は必要ありません。ある程度書き上がったら、一冊の本にする目的と意義を考えてみてください。また、誰に読んでもらいたいかを念頭において本づくりのイメージをはっきりさせましょう。自分なりに推敲したら、相談しやすい窓口に思いきって意見を聞いてみましょう。
  


  
本づくりのステップを!
 昨今は、人生を振り返ってまとめる自分史だけでなく、詩歌、小説、エッセイ、童話・絵本、写真集、趣味・実用書、郷土史、哲学書など多彩な作品が自費出版されるようになりました。
 テーマが決まりこれから書き始める方、ある程度書き溜めている方、本を発注しようとしている方……、本づくりを始めるまでには様々なハードルがありますが、それらをクリアーして本づくりのステップへ進みましょう。
     原稿がある程度まとまったならば出版された自費出版の本を参考にして、具体的なイメージを描いておくことも大切なことです。「かながわ自費出版の会」の常設コーナーでは60点ほどの自費出版書を展示、販売しています。是非とも、手に取ってご覧ください。現在、ルフラン文華堂(横浜市泉区)伊勢治書店(小田原市栄町)、三光堂(寒川町)が常設店となっています。

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